| 法定後見制度とは? |
法定後見制度は、「後見」「保佐」「補助」 の3つに分かれています。
判断能力の程度や本人の事情に応じて制度を選びます。
1. 申し立てをすることができる人
- 本人、配偶者、4親等以内の親族、検察官、あるいは市町村長
2. 後見(保佐)(補助)開始の審判
- 上記の申立人が家庭裁判所に審判の申立てをします。家庭裁判所の審理を経て、本人について後見等が開始され、家庭裁判所により成年後見人等が選任されます。
3. 成年後見人等に選任される人
- 本人の親族、法律・福祉の専門家、福祉関係の公益法人など
複数の人や法人を選ぶことも可能。
成年後見人等を監督する成年後見監督人等が選ばれることもあります。
4. 成年後見人等の役割
- 本人の生活・医療・介護・福祉など、本人の身のまわりの事柄にも目を配りながら、本人を保護・支援します。成年後見人等の職務は本人の財産管理や契約などの法律行為に関するものに限られています。成年後見人等はその事務について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督を受けます。
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| 「後見」 |
「後見」は、判断能力を全く欠いているか、ほとんどない状態(日常の買い物も1人ではできないくらい)にある人のための制度です。「成年後見人」は、本人がした契約などを取り消すことができ(「取消権」)、本人に代わって契約などを行なうことができます(「代理権」)。
「取消権」
本人がした行為は取り消すことができます(民法9条本文。成年後見人が事前に同意を与えていても、取り消すことができます)。ただし、食料品、衣料品の購入など、日常生活に関する行為は取り消すことができません(同条ただし書き)。
たとえば、悪徳業者に騙されて不要なリフォームを法外な料金で契約してしまっていても、その契約を取り消し、代金を取り戻し現状に回復させることができます。この取り消しをすることができるのは、本人、成年後見人です(民法120条1項)。家族でも、成年後見人になっていなければ、取り消すことはできません。
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| 「保佐」 |
「保佐」は、取引行為をするには十分な判断能力はないが、その程度が「後見」相当にまでは至っていない人など(日常の買い物などは1人でできるが、不動産や自動車の売買などの重要な行為については一人ではできない人)のための制度です。
本人が自分で契約することを前提としていますが、一定の重要な行為については「保佐人」の同意を必要とします。また、必要に応じて「保佐人」に代理権を付与することもできます。
「同意権・取消権」
本人が、不動産や自動車の売買などの「重要な行為」(民法12条1項に規定)をしようとするときは保佐人の同意が必要です。保佐人の「同意」、または家庭裁判所の「許可」を得ずに本人がした行為は、本人および保佐人が取り消すことができます。(民法12条4項、120条1項)
民法12条1項に規定される「重要な行為」以外にも、同意を必要とするものがあれば、「保佐開始の審判」の際に申し立てます。この追加事項は、後から追加することもできます。(民法12条2項)
「代理権」
本人が契約をすることが負担であったり、支障がある場合には、家庭裁判所は保佐人に「代理権」を与えることができます。(「代理権付与の審判」民法876条の4第1項) この代理権は成年後見人のように全面的なものではなく、本人の同意を得て、必要に応じた代理権の範囲「特定の法律行為」が付与されます。(民法876条の4第2項)
代理権の付与があっても、本人が(保佐の同意を要する場合は同意を得て)本人自身が契約等できることには変わりありません。
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| 「補助」 |
「補助」は、軽度の精神上の障害を持つ人(不動産や自動車の売買のような重要な行為を1人でできるかもしれないが、心配があるので誰かの援助があったほうがよい人)のための制度です。本人の意思を尊重するため、この制度をどう利用するかは、本人の同意が必要です。
障害が軽度な人は、就業するなど社会と接点を持つことが少なくありません。そのため、かえって悪徳商法などの被害に遭いやすいことがありますので、この制度をうまく利用するとよいでしょう。
「補助開始の審判」と「同意権付与の審判」・「代理権付与の審判」
補助の場合、「補助開始の審判」と同時に必ず、「同意権付与の審判」または「代理権付与の審判」のいずれか(両方でもよい)を、家庭裁判所に申立てしなければなりません。(民法14条3項) この付与の範囲は、本人の意思によるものとされ、本人以外の申立てによるときは、本人の同意が必要です。(民法16条2項)
「同意権・取消権」
「同意権付与の審判」がなされると、本人が「特定の行為」を補助人の同意またはこれに代わる家庭裁判所の許可(民法16条3項)を得ずにした場合には、本人、補助人はこれを取り消すことができます。(民法16条4項、120条1項)
「代理権」
代理権が付与される「特定の行為」は、申立ての範囲内で、家庭裁判所が本人の状況に応じて個別的に決定します。
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| 費用について |
1.申立ての際に必要な費用
| 項目 |
金額 |
| 申立手数料(収入印紙) |
600円 |
| 書類の送達等に必要な郵便切手代 |
約3,000円 |
| 審判後、登記所に登記するための登記印紙 |
4,000円 |
| 申立ての際に添付する書類を取得するための費用 |
実費 |
| 鑑定を必要とする場合には、鑑定費用 |
50,000〜100,000円 |
2.成年後見人等への報酬
- 事務内容、本人の財産等を考慮して、家庭裁判所が決定します。そのため、報酬金額は個々のケースにより異なります。
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